Session07  ビジネスセクターはじめの一歩

セッションオーナー

北川宏美・堀田竜士(富士ゼロックス株式会社VHP)

 

リポーター

横須賀道夫(花王株式会社) 


今までの活動


•富士ゼロックスにはバーチャルハリウッドプラットホームという制度があり、新しい価値創造のため社員のチャレンジを応援している。16年続いている取り組み。これを利用して参画している。

•軽度認知症の方々のコミュニケーション支援およびコミュニケーション領域からのアプローチ。QOLの向上を考えている。

•サービス、場の提供、ストレスの解放、共生を目標として3つのテーマを考えた。


1. 日常生活の補佐;認知症の方、介護の方をICT技術で支援できないか。より良い生活をリコメンドするなど

2. コミュニティの形成。認知症の方、その周囲の方、地域社会の三方よしのコミュニティ

3. 脳機能の回復


• 1年間活動した結果、脳機能の回復、日常生活のICTによるサポートは現段階では難しいと判断。コミュニティの形成は重要と認識できたが、活動基盤をつくるためにコミュニティそのものをつくる必要がある。

• 調べるうちに、その人の近しい人に認知症の方がいると関与度が高まることがわかってきた。しかし、同じ地域の人が認知症でもかかわりたくならない。自分の大切な人が認知症になっているなど当事者意識がないと家族以外の人の協力を得るのが難しいのが現状。


セッションの目的

• 企業として何ができるか悩んでいる。企業・組織・コミュニティ・個人が認知症に一丸となって取り組むためのはじめの一歩、次の一歩をいっしょに話し合い、それぞれの一歩をみつけ、踏み出したい。


• 活動を進めていく上で、

- 先が見えない

- (会社を説得できる)直接的な利益が見えない

- コミュニティの形成という漠然とした目標

  どのような活動をしていけばいいか暗中模索の状況。ヒントをいただきたい。


WS1;グループで、今感じていることを話あう


  • 今日初めて参加して、熱い人が多いので、刺激を受けている。
  • 公共セクター(のセッションに)、旅に参加してきた。皆さんの意見、気持ち、それをどう連携して社会に貢献していくのか、そのきっかけになると良い。
  • 12月に認知症カフェを開催。今日の話を受けてロードマップを引いてアクション起こさないといけないプレッシャー。みなさん悩みながら、考えるより行動が必要。
  • 商品開発を一緒に行う。持続的なのは商品かもしれないが、他にも方法はあるかもしれない。


ストーリーテリング 認知症に取り組むようになったきっかけ


北川 自分の親戚が認知症。何か力になりたい。調べたりしたが、一歩を踏み出せていない。で、バーチャルハリウッドプラットホームに申し込んだ。


堀田 祖母が認知症になった。福井の実家で両親が見ている。おばあちゃん子だったので、久しぶりにかえったら5分に一回同じ話。何かしたいと思った。最初は研究所の若手が呼ばれて何か新しいこと始めろといわれて、認知症に関わるテーマを選んで半年やった。技術開発は行ったが、本業の外で事業を始めるのは難しいと判断されて挫折。バーチャルハリウッドプラットフォームで北川さんが認知症関連のテーマでやっているのを知り、一緒に活動を始めた。


田中(コクヨ)

きっかけは自分の上司と同僚の母が認知症であることを知ったこと。認知症ってなんだろう、がきっかけ。入社以来ずっと新規事業を担当してきた。TV会議をコクヨで始めたが、もうからないので、やめた。なにをしていいかわからなくなって、自分で考えた時、今までさんざん新規事業をやってきて成功してないので、成功しなくても後悔しないテーマにしようと考えた。おばあちゃん子だったので、おばあちゃんのテーマなら後悔しないと思って始めた。高齢者ビジネスをしたいといろんな人に触れ回っていたら、いろんな会合とか紹介してもらえた。そんな中でDFJIと出会った。認知症の方、お会いしてみると、普通なのにいろんなことに困っている。これから日本が高齢者だらけになったとき、コクヨの製品買ってくれるのは高齢者になる。形になってもけちょんけちょんに言われたりするが、続けているといい種が見つかる。DFJIにいると当事者や関係者に聞ける。こういうネットワークは貴重。恵まれた環境。そもそも新規事業は地下活動。上司の母が認知症だったので理解が得られてラッキーだった。


WS2 グループで、ストーリーへの感想とこれからやってみたいことを話し合う。


  • 前民間企業にいた。商品開発に本人の意見を聞くのは良い。前楽天にいて、CSR事業部があった。利益を考えなくても良い事業部。ブランド力を上げる役割。スタバもやっている。ブランドに対する愛着につなげるという活動になる。
  • 会社に認知症の方が身近にいる人がいる。でも介護などで休みにくい。こういった状況を変えるために周囲の人の理解をあげるための材料として使う。
  • スーパーの店員が認知症に対して理解力があると接客力があがるなど、商品開発力やサービスの質の向上に繋げるなどできるのでは。
  • 包括とか役所のひとは硬いというイメージだが、現在関係している役所のひとはつながりやすい
  • 例えば町田市を対象商品やサービスのテストベットとしてつかってもらってもOK。テストマーケティングができるカフェとかあるかもしれない。当事者のモチベーションにもつながる。その人の生きがいにつながるようなプロダクトやサービスに携われると一番良いかもしれない。
  • 本人の気持ちを聞くことは大切だが、話ができるような雰囲気にないとダメ。自然に話せる雰囲気をつくることから始めたい。
  • 認知症の方向け、高齢者向けの商品は成り立ちにくい。お子さんや障がいのある方も含め、広く包括することを考えたい。その第一歩として認知症の方を理解していきたい。



WS3 以下の3つについてA4の用紙に書き、グループ内で話し合う。


1認知症に対して私がやりたいこと

2予想できる壁、困難

3どうやったらやりたいことが実現できるか

 ・個人で

 ・組織で

 ・コミュニティで


  • 四世代家族で育った。認知症とか高齢者と暮らすのが普通。現在は核家族が増えてそれが普通でなくなっている。身近になることが大切。子供と高齢者が関われる場をつくりたい。具体的には保育園と高齢者施設を一緒にするなど。どう関われるかが課題。商社に勤めている。知識が足りないので勉強中。自分の会社で立ち上げるのか、関係者の方を見つけて一緒に取り組むのか、など悩み中。
  • 60代男性の3割が酒をのむ。酒と認知症の関係を知りたい。飲酒は認知症と関係ないことを証明したい。酒が悪い面だけ強調されるが、良い面もあるので。
  • 認知症フレンドリーな社会をつくるために企業ができることを考えたい。ビジネスとして成立させるのが課題。ひととのつながりをつくり、協働していけるひと、ヒントをいただける方をさがしたい。
  • 祖父が認知症で誤飲誤食がある。現状つきそわないといけない。家族が耐えられない。なかなかひととして接していくのが、現実には難しい。



話し合ったことの全体共有


  • 認知症にたいする偏見をなくしたい。でもなかなか難しい。偏見をもたない教育を小さいときからしてもらいたい。行政の方とか。教育の現場でも。
  • ロボットのHALの販売をしている http://www.cyberdyne.jp/products/HAL/ 。これを装着して足を動かしていると、動かなかった人が動くようになる。認知症もなにか脳機能にはたらきかけるポイントがあるのではないか。薬だけにたよるのではなく、香りとか写真とか何かエピソードととか、思い出すヒントみたいなことがないのか、探していくのも一つの手ではないかと思う。
  • 認知症と関わったことがない方に介護現場を見てもらうのは大切。現場から考えて欲しい。企業側が現場に来ることで現場の方も刺激になる。
  • 認知症について知りたい要求が高まったので来たことは感じるが、知りたいひとに知りたい情報が届いていない。これをなんとかしたい。SNSで友達から友達というのもひとつのてかもしれない。
  • 祖父の話は大変。80の祖母が祖父の介護している。自分の旦那がそうなったのがショック。愛している伴侶のことを嫁や他のひとにはやらせたくない。下の世話もあるし。でも疲れ切ってしまっている。どうすれば良いか答えはないが、なんとかしていきたい。
  • サミットに来てみて、あらためていろんなリソースがあることを感じた。自分でもどんなことができるかわかっていなかったことも分かった。ひととひととのマッチング、リソースの上手な活用で、できるようになることも多いのではないか。
  • 今の社会は効率化だけを求めて認知症の方だけでなく、排除される人が多い。社会をゆったりさせれば、認知症の方も暮らしやすくなる。
  • いろんな人とつながっていき、活動をつづけていくと、何か答えがみつかるのではないか。
  • 自分自身どう貢献できるかまだわかっていないが、答えを探し続けていきたい。


クロージング


企業として認知症にとりくまなければいけない重要性、責任があることを痛感した。できることを考えていきたい。


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