Session02 いきいきと役割を持つ社会〜家事を中心に〜

セッションオーナー

横須賀道夫(花王株式会社) 

リポーター

山口紀子(花王株式会社)   

花王の紹介

高齢者も若齢者と同じで日頃のくらしの中で、役割、いきがいがあり、楽しむことをもつことが大事。クイックルは軽くて力がなくても掃除が可能だから、家族に喜ばれる役割ができた。

 

高齢者の行動を阻害するもの

 昔は認知症という概念がなかったのだろう。大家族の中で野菜をつくったり、縁側で豆を剥いたりする役割があった。現在の生活では行動しにくくなった要因として①危険である、②非効率的である、③不十分な結果になるという点である。


グループホーム ひまわり 施設長 西川弘之氏 取り組みのご紹介

 1ユニット 9名で年齢は82~101歳、平均90.4歳、平均介護度4。モットーは『その人がその人らしい暮らし』ができることであり、ご本人のやりたい思いを大切に家族、地域、社会との結びつきも大事にする。また、それぞれできることは自分たちでやっている。車いすを押すのも入所者である。調理や麺づくりなどできることをできる人が担当し、調理できない人も味見役とする。“全員参加”して役割をもつことが大事である。介護する介護されるではなく、小さいながらの社会の中で必要とされる役割を持つことの重要性を語られた。管理者視点で考えると難しいこともたくさんあるのではないか?との質問があった。もちろん、転倒リスクは高くなるので、日頃の運動、体力作りが必要であるとの答えだった。体力づくりとしてはソフトボールのコーチを地元の高校生にお願いし、地域とのコミュニケーションも積極的におこなっている。「認知症は病気であって病気でないんだよ」と認知症の方のお言葉が印象的であった。


通所介護事業所 サロンひまわり 松本礼子氏 取り組みのご紹介

 全員で21名の登録。日に7名の通所がある。男性が2名。あとは女性で女性割合は多い。年齢は72~94歳。モットーは「介護される・するではなく、あなたと私」。認知症があっても無くても区別せず、一人一人に向き合い、一人一人のやりたいことが実現できることを大事にしている。人と出会うこと、触れ合うこと、花や野菜の栽培や、梅干しや千切り大根などの加工なども、かつての暮らしを楽しんでやっている。仲間づくりを大事にし、作ったものを地域のコミュニティに販売するなど地域との対話も促進している。

“認知症だから“って決めつけはダメ、話を聞く力をつけることが大事とのお言葉が印象的であった。


グループワーク

 認知症の方が家で役割をもつために必要なものはなんだろう?(課題と解決方法)というお題でワールド・カフェをおこなった。


各グループで発表された一例

・使いやすい道具、家電(たとえばトースターはポップアップ式のほうがわかりやすい)。

・シンプルなもの、昔から慣れているもの、プロセスが少なく、考えなくていいもの。

・身体レベルに合わせたもの(理学療法士(PT)さんが詳しい)。

・何ができて、何ができないかを自分も周囲もよく知ること。

・会社の経験→家での役割にする(事務、電気工事、大工)。

・相手の役割(世話をする)を引き出す役割(世話をされる)も成り立つ。

・やりたいこと、ホンネを何でも言える環境、雰囲気が必要。

・高齢者家事サポートセンター(認知症にやれることを教える+家族に理解してもらう)

・本人のやる気

・完璧を求めない(余裕を持つ)、記憶障害にはアラームなどを活用。


リポーターの感想

 認知症が特別なものではなく、社会の中でちょっとした手助けがあると多くの場合、もっとお互いが良い方向に向かうことができるのではないかと感じた。特別視せず、社会の中での役割をそれぞれのレベルに合わせて皆さんが持つことによって自己効力感も高まり、楽しく過ごすことができるのではないかと思う。まだまだ家事の商品、システムなどに工夫の余地があると感じた。


お問い合わせ先:info@dementia-friendly-japan.jp