Session08 移動と免許

セッションオーナー

吉田雄一(リゾートケアハウス蓼科)

 

リポーター

横山玲子


長野茅野市のグループホームで働く吉田さん。車がないと生活が成り立たない地域で認知症となった場合の移動について課題を共有します。

 

吉田さんのいる地域はスーパーまで片道5.5キロ、病院まで5.2キロ、茅野駅までは8キロ、冬にはマイナス10度以下、標高差もあります。歩いて移動するということがほとんど困難な地域で、車という移動手段を奪われるということは自分では移動できなくなることと同じです。

 

吉田さんが事前に取ったインタビューでは、車社会の地域に住む人たちにとって車はコミュニケーションツールであり、車がないと人と会うこともコミュニティに参加することも出来なくなると不安、不満の声があがっています。

 

「誰でも好きなとき好きなところへ移動することができる社会」はどのようにしたら実現できるのか、グループで話し合いました。乗合いや、ヒッチハイク、シャトルバス、新しい乗り物など、具体的な案が各グループから出る一方で、「行くのではなく来てもらう」「免許返納後の精神的ケアが重要」「車がなくても生活できることに気づくことが重要」という移動を前提としない視点からの意見も出ました。

 

参加者の一人が共有したお母さんのエピソード。バイクが日常の足代わりだったお母さんは事故に遭い再びバイクに乗ることをあきらめなければならなくなってしまいました。バイクの免許に踏ん切りがつくまでに長い時間がかかったけれど、それができたのは近所の人たちがゆっくりでもいい、歩いて行こうと誘ってくれて一緒にいくうちに「バイクが無くても買い物に行ける」ということに気がついたからだと言います。今では押し車をカスタムして楽しんでいるそうです。

 

当たり前に思っている前提を一度ゼロに戻してみたり、様々な角度から自由な発想で移動や暮らし方について考えることの大切さを改めて感じました。

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